15年前の話と 来週の演奏会

10代の頃、私はシベリウスの音楽をとても愛していて、そこから派生して北欧各国の様々な時代の音楽や伝承、文化や言語などにも興味を持っていました。

そしてノルウェーの"Hardingfele"という楽器に出会い、それまで知らなかった「共鳴弦」付の弦楽器というものにときめいてしまって、大学に入った当初は、その楽器と音楽についての研究をしよう!難しそうだけどノルウェー語も勉強してみよう!と未知の魅力にワクワクしていたのです。

その後すぐ、とある授業で聴いた1枚のCD、H.I.F.ビーバー《ロザリオ・ソナタ》に衝撃的に心を奪われ、一生の友となるチェンバロに出会い、あっという間に興味の対象がバロック音楽に移ってしまって今に至るのですが…。

そんな憧れの気持ちと相対する機会に、ついに恵まれました!

22日のCollegium Musicale vol.3で演奏するのが、ビーバー作曲の《ヴィオラ・ダモーレと通奏低音のためのパルティータ》です。

ヴァイオリニストの原田陽さんと廣海史帆さんが、この「共鳴弦」付の魅惑の楽器を鮮やかに自在に操って、私がとても大切に想っている作曲家ビーバーの名曲を独特な音色で響かせてくださるという、幸せ。

 

ビーバーの《レクイエム》もまた、素晴らしい名曲です。

ヴァイオリン2+ヴィオラ3+通奏低音という、内声がとても充実した器楽編成と、へ短調という「暗い」調性による重厚な響きの中に、5声の歌い手たちのソロやデュエットが散りばめられています。

この編成を活かして、器楽メンバー全員で演奏するビーバーの《ソナタ》では、17世紀弦楽器作品の真骨頂を存分に見る(聴く)ことができます。

ビーバーと同時代に活躍したケルルの作品から今回取り上げるのは、滅多に演奏機会のない《ミサ曲》。

冒頭の"Kyrie"の、一瞬にして鳥肌が立つ美しさは、鮮烈。

 

私にとっては、弾きながら幸せなニヤニヤが止まらない、至高のプログラムです。

この時代の音楽の魅力を、ぜひお一人でも多くの方に広めたい、知っていただきたい、そんな気持ちで、縁の下のオルガン弾きを務めます。

8月22日(水)19時〜新大久保のルーテル教会にて、Collegium Musicale一同、皆様のお越しをお待ちしております♪

 

♪ 更新のお知らせ  4/14

 

 

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