2016年
2月
20日
土
来月公演のテレマン作曲《パリ四重奏曲》全曲のリハが始まっています。
たくさんの小曲が集まった組曲が全6曲、通すだけでも2時間半、リハもかなりの密度で長時間頑張っています(>_<)
初めてコンサートで弾いたのはたしか6番でした。
一番最後の凄まじく美しい静かなオスティナート・バスを弾いていた時、会場の教会の窓から夕陽が差し込んできて、異次元の感動に包まれたことを想い出します。
いまでもこの曲を弾くと、あまりの美しさに涙ぐんでしまうほど。
主役はフラウト・トラヴェルソ、ヴァイオリン、ヴィオラ・ダ・ガンバ。
3人の掛け合いの妙を心ゆくまで楽しめるよう、通奏低音のチェンバロは長くお休みのところが時々あります。
3人だけでも充分に完成している音楽、旋律線×3だからこそ濃密に絡み合える柔軟さ、もうこのまま3人で進めていっても良いんじゃないかと思ってしまうくらい。
でも、そのシーンが終わってチェンバロが加わったその瞬間、音の世界が無限に広がって光が溢れる・・・!
まさに絶妙。
通奏低音の魅力をそのたびに噛みしめて、心から幸せになるのです。
テレマンがパリ滞在時に吸収したフランス音楽のしなやかさ、当時流行のイタリア音楽や自らのルーツであるドイツ音楽、それらが見事に融合した集大成《パリ四重奏曲》。
いつまでも耳に残る、たぐいまれなメロディーセンス、楽器同士が織りなす構造美、バロック時代の最高級で最上質な室内楽作品だと思います。
3月9日/東京公演、3月11日/名古屋公演、どちらもチケットまだございます。
どうぞお聴き逃しのないよう!